Sound Reformer / yamakaWA

2022年5月25日3 分

プロピアニスト演奏会ビデオの音声修復(YouTube投稿用 )

音楽や映画コンテンツの整音・ノイズ除去をプロアマ問わずお手伝いしている Sound Reformerの山川@HSR_YBです。先日、某有名ホールで演奏されたピアニストの古い音源修復をお手伝いしました。かつての演奏をYouTubeアップロードしたいとのことでした。アナログ時代の音源は多くの人に試聴してもらう機会を逃しています。

依頼いただいたメディアはアナログビデオデッキ時代(昭和〜平成前半)に収録されたコンサート。VHSテープからデジタル化された動画。

劣化したアナログのビデオデッキにありがちなノイズ

VHSテープが劣化していたり再生デッキのメンテナンス問題が発生すると、ビデオ機器自体の要因で本来は存在しなかった音声ノイズが発生してしまうことは珍しくありません。このノイズはかなり強烈。「ブーン、ビビビ...」と、いった電波障害のような耳障りなノイズが発生し、特にコンサートなど音楽コンテンツの場合は視聴時のストレスがあります。

テープや再生デッキの状態が悪いままデジタル化してしまうと、当然そのノイズが加わった動画となってしまいます。

DVDで購入し直せるものならともかく、自身が出演したテレビ放送などは録画したVHSが貴重なマスターテープとなるため、ノイズが出てしまった場合は諦めるしかありません。

ノイズを含んだままデジタル化した音声は修復できるのか?

音声修復技術は日進月歩であり、私が主に活用するiZotopeRXという音声修復ツール(ソフトウェア)もバージョンアップするたびに新たな修復技術が加わり多機能です。それでも万能ということはありません。

VHSテープに発生するノイズはステレオ(LR)の片チャンネルのみにノイズ発生するケースが多く、劣化した再生ヘッドにより付加される?と想像しています。このノイズは殆どの場合、コンテンツ全体に渡って強烈に混入するため最新技術を以ってしても演奏の邪魔にならないレベルには修復できませんでした。

VHSが音源修復できない場合の最終手段とは

このような場合の最終手段は片方のチャンネルを切り離し、問題が少なチャンネルをモノ音源として再編集、疑似的にステレオ化してしまいます。それによりノイズでストレスのないピアノ演奏を楽しめます。

YouTube時代に公開価値のあるアーカイブ

特にピアノソロの演奏は繊細であることから、録音された音源に積極的に手を加えることはクラシック作品を演奏する方にとってはしない傾向があります。

アナログ時代の音源はヒスノイズなど機器要因のノイズですが、現在はデジタル録音下で余計な音まで拾ってしまった音を消し込んでいく作業がメインとなります。咳払いや子供の声をくり抜いたり、局所的な加工で響きすぎるペダル音を軽減させたりと、多種多様な音声編集が可能です。

プロクラスの演奏家でもきちんとしたレコーディングする機会は限られています。プロピアニストからも絶賛の声をいただく編集技術をどなたにも提供しております。録音作品として綺麗に残したい動画がありましたらお気軽にご相談ください。