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40〜60分の映画MAが数時間で終わらない理由|自主制作映画のMA作業時間とスケジュール感

7月2日
読了時間: 6分

更新日:8月24日

ProTools MA作業

「40分くらいの自主制作映画なので、整音・MAを3万円くらいでお願いできますか?」


映画MAの相談では、こうしたご相談をいただくことがあります。

もちろん、限られた予算の中で作品を完成させたい気持ちはよく分かります。


ただ、40〜60分の映画MAは、単に音量を上げたり、ノイズ除去ソフトを一括でかけたりする作業ではありません。


Hybrid Sound Reform の映画MAでは、セリフ、ノイズ、背景音、BGM、効果音、カットごとの音質差、最終音量までを確認し、映画として自然に観られる音へ整えていきます。



映画MAは「音量調整」ではありません


映画の整音・MAには、主に次のような作業が含まれます。


・セリフの明瞭化

・空調音、風、車、衣擦れなどのノイズ軽減

・カットごとの音質差の調整

・BGMとセリフのバランス調整

・背景音、アンビエンスのつながり作り

・効果音の整理・ラウドネス、書き出し、納品前チェック


つまり、MAは「聞こえにくいところを少し直す作業」ではなく、映画全体を“作品として聞ける状態”に仕上げる工程です。


詳しい工程は、以下の記事でも解説しています。



40〜60分映画作品は、確認だけでも時間がかかります


40〜60分の映画では、セリフのあるシーン、屋外ロケ、室内反響、BGMの入り、効果音の不足、背景音の変化など、ほぼ全編に何らかの確認が必要になります。


たとえば、40分作品を1回通して確認するだけで40分です。

しかし実際には、気になる箇所を止め、戻し、処理し、前後のつながりを確認します。


1カットのノイズを整えるだけでも、処理の強さを間違えると声が痩せたり、不自然な機械音のようになったりします。


そのため、映画MAでは「早く処理すること」よりも、「どこまで直して、どこから先は不自然になるか」を判断する時間が必要です。



MA作業は素材整理にも工数がかかります


MA作業に入る前には、素材確認も必要です。


・AAF / OMF

・ガイド動画

・仮ミックス音声

・BGM素材

・効果音素材

・オンリー、環境音

・台本、修正メモ


これらが整理されていればスムーズですが、トラックが乱れていたり、不要な音声が大量に残っていたり、リンク切れがある場合は、整音前の準備だけで数時間かかることもあります。




3万円で40〜60分の映画MAが難しい理由


映画祭上映

3万円という金額だけを見ると、短い音声編集やガンマイクだけで収録されたシンプルなインタビューなど10〜20分程度の軽い整音なら検討できるケースもあります。


しかし、役者のセリフをマルチマイクで拾った40〜60分の映画MAでは、最低限の作業でも数十時間規模になることがあります。


仮に30時間かかる作業を3万円で受けると、1時間あたり1,000円です。

そこには、専門機材、ソフトウェア、経験、確認作業、修正対応、納品チェックのすべてが含まれてしまいます。


これは、プロのMA作業としては現実的ではありません。



Hybrid Sound Reform の価格目安


Hybrid Sound Reformでは、単純に「作品尺×料金」で価格を決めているわけではありません。


同じ40〜60分の映画でも、

  • 録音状態

  • 使用マイク数

  • ノイズや反響の量

  • AAFなど編集素材の整理状態

  • 背景音・アンビエンスの作り込み

  • 映画祭上映か、劇場公開まで想定するか


によって、必要な作業量は大きく変わります。


現在は、作品の状態と目的に応じて大きく4つのプランを設定しています。


PLAN1|Short Basic

10〜20分程度の短編を中心に、録音状態が比較的良好な作品を基本的な整音・ミックスまで仕上げるプランです。


料金目安:22,000〜55,000円

PLAN1.5|Focused Lite

40〜60分程度の作品などで、予算を抑えながら「聞き取りにくいセリフ」「目立つノイズ」「BGMとのバランス」など、鑑賞上重要な問題を優先して改善する限定プランです。


料金目安:60,000〜150,000円

全編を均一に細かく作り込むプランではないため、素材状態や問題の多さによってはPLAN2をご案内する場合があります。


PLAN2|Festival Standard

国内外の映画祭応募を想定し、セリフ整音、ノイズ処理、マイクやカット間の音質差、ルームトーン、背景音、BGM、配置済みSEなどを含めて、作品全体を整える標準プランです。

料金目安

  • 40〜60分:100,000〜180,000円

  • 61〜90分:150,000〜250,000円

  • 91〜120分:220,000〜350,000円


40〜60分程度の自主制作映画を「映画祭で上映できる状態まで全編仕上げたい」という場合は、このPLAN2がひとつの基準になります。


PLAN3|Cinema Premium

劇場上映・配信・継続的な公開を想定し、PLAN2の工程に加えて、難易度の高い音声修復や、シーンごとの距離感、空間表現、アンビエンス、ダイナミクスまで踏み込んで仕上げる上位プランです。


料金目安

  • 40〜60分:200,000〜300,000円

  • 61〜90分:280,000〜450,000円

  • 91〜120分:400,000〜600,000円


ただし、これらはあくまで目安です。


会話中心で録音状態がよく、AAFなどの素材も整理されている作品では下限に近くなることがあります。反対に、ノイズ修復やアフレコ調整、背景音の再構成などが多ければ、必要な作業量も増えます。


そのため、「40分だから○万円」というより、

作品尺 × 素材状態 × どこまで音を作り込むか

によって、実際の料金が決まると考えていただくのが近いと思います。


最新の料金と各プランの詳しい作業内容については、以下の価格表をご確認ください。



予算が限られる場合の考え方


予算が限られている場合でも、すべてを諦める必要はありません。


たとえば、

・冒頭5分の印象を優先する

・セリフが重要な会話シーンに絞る

・屋外ノイズが強い場面だけ重点処理する

・BGMとセリフの被りだけ整える

・映画祭提出用に最低限の音量破綻を防ぐ


といった形で、工数を集中させる方法があります。


ただし、「40〜60分全編を映画祭向けに自然な音へ仕上げる」ことと、「一部だけを最低限整える」ことは、まったく別の作業量です。



早めの相談が仕上がりを左右します


60分前後の作品では、作業枠の確保も重要です。

MAは素材を受け取った翌日に数時間で完了するものではなく、素材確認、荒整音、プリミックス、本ミックス、監督確認、修正、納品チェックを順番に進めます。


そのため、映画祭締切の直前ではなく、できれば2ヶ月前を目安にご相談ください。




まとめ


40〜60分の映画MAが数時間で終わらない理由は、作業が「音量を上げるだけ」ではないからです。


セリフを聞きやすくし、背景音をつなぎ、BGMとのバランスを整え、観客が違和感なく物語に集中できる状態を作るには、相応の時間と判断が必要です。


3万円前後で全編MAを希望される場合、できることはかなり限定されます。

一方で、予算に合わせて優先順位を決めれば、現実的な改善提案ができるケースもあります。


まずは、作品尺、現在の音の状態、映画祭・上映・配信などの目的、希望納期、ご予算感をお知らせください。


映画MA・整音のご相談フォーム



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