iPhoneで録音したボイスメモはクリアに改善できるの?

(結論)
素人がフリーアプリで改善できる確率はかなり低い
もくじ
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録音物との音質差を感じてしまう要因
録音物との音質差を感じてしまう要因
音声データの雑音除去や修復サービスを運営している山川です。iPhoneに搭載されたボイスメモアプリは手軽に会話が録音できて便利です。しかし録音データを再生してみると、その場では気にならなかった周りのカフェの余計な音が沢山入っていて肝心の内容が聞き取れないというケースはとても多いです。
□録音してみると気になる雑音(ノイズ)
・隣の席の会話
・ドリンクバー周りの食器や氷の音
・窓の外の騒音(車の通行音など)
・店内のBGMスタッフの挨拶
人間の脳は優秀なので、周囲が騒がしいと勝手に会話にフォーカスを合わせ、ほかの雑音を無意識のうちに注意をそらすコントールがなされています。これが現場で聞いている音と、録音データとの音質差を感じてしまう要因です。
ボイスメモ取扱事例と専門プロの改善難易度
居酒屋でのカップル会話(AA)
ファミレスでの面談(A)
居間での夫婦の会話(B)
空調が気になる会議室での面談・面接(C)
大会議室での多人数による会議(AA)
施工現場での業者間トラブル会話(B)
電話の受話器ごしの会話(AAAA)
走行中車内での電話会話(AAAA)
マイクから離れた場所での会話(AAAAA)
残響が多い講演会(A)
改善難易度 A(難しい)⇄C(比較的容易)
上記は専門プロが判断した改善難易度。
スマホや安価なICレコーダーで素人が録音したデータの改善は困難です。
日常から音声編集アプリに触れていない素人さんが、フリーアプリを闇雲に使っても無駄骨に終わる確率が高いです。
高性能リニアPCMレコーダーの聴き比べ
自撮り動画のビフォーアフター事例
会話がほぼ聞こえないデータはプロでも改善困難
スマートフォンの専用アプリやフリーで出回っている音声編集ソフトには簡易的なノイズキャンセリング機能が加わっているものもあります。
うまく使えば周囲のザワザワ音を気持ち抑える処理は可能ですが、明らかに会話音量が小さい場合の修復はほぼ不可能と考えるべきです。
音声修復は専門ノウハウが必要。プロ動画エディターでも、整音だけ業者に外注するケースは珍しくありません。
当方は専門プロとして年間100本を超すボイスメモ音声のノイズ除去を手掛けておりますが、ボイスメモの改善採用率は60%くらい。ギブアップも多数なのが現実です。
(姉妹ブログ)プロが対応できるノイズ除去技術代表例
聴き取りにくい音声はイヤフォン&ヘッドフォンでの試聴が鉄則です

できれば音楽用8,000円以上のイヤフォンがベター
ボイスメモ録音した聞きづらい会話は再現解像度の高いヘッドフォンやイヤフォンの利用が鉄則。。スマートフォンやパソコンに標準搭載できるスピーカーは「とりあえず聞こえればいい」という最低クラスのものが多いですので録音した会話を聞くのに適していません。
録音物のリフォームサービス「ハイブリッド・サウンド・リフォーム」ではボイスメモの録音データの改善をお手伝いしております。
ごく短い音源を除いてトライアル無料です。
プロにノイズ除去依頼しても、そもそもデータを再生するスピーカーやイヤフォンの再現能力が低くては改善効果を体感するのは困難。プロに依頼する前にまずは音楽用の質の高いイヤフォン、ヘッドフォンにお金をかけましょう。