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執筆者の写真Sound Reformer / yamakaWA

動画に入り込んだ耳障りなカメラシャッター音は除去できます

更新日:8月30日


音声データのリフォームサービス運営している山川@HSRです。

プロアマ問わず様々な動画・音声コンテンツの改善をお手伝いしていますが、

たまにご依頼いただくのがカメラのシャッター音除去です。

ライブイベントの動画

先日、クライアントから依頼いただいたコンテンツは地下アイドルさんのライブイベント。

素敵な歌を披露しているのに、ライブ中の撮影OKだったのか?パフォーマンス中に絶えずカメラ撮影がされておりシャッター音だらけ。歌声や音楽をじっくり聴き込みたい方にとってはとてもストレス。


対象曲はカヴァー曲とあってオフィシャル音源化されておらずレア。潤沢な予算提示されての依頼、個人的にCDのように何度も聴き直したいとのことでした。

そもそもシャッター音は消せるのか?

データ密度にもよりますが、音楽コンテンツに混入したシャッター音はある程度の除去・軽減が可能です。データ条件がいい場合は「なかったこと」にできる精度で消し込むことができます。





プロの映画・音楽制作で用いられるiZotope社のRXというソフトウェアツールを

用いればそれほど難しいことではありません。細かい説明は抜いて、このRXの特徴でもあるSpectral Repairというモジュールを使うと、除去したい対象音を選ぶことにより、

前後の音声を解析し、まるでなかったように再合成することが可能です。


グラフィックで用いられるフォトショップで絵の中で要らないものをくり抜いてしまう

感覚と似ています。しかし前後に入っている音を解析し、再合成するため、消したい時間帯の背景音によってはうまく除去できないこともあります。


一眼レフのシャッター音は通常スピードで1/125~1/40秒と非常に短いものであり、その上、周囲の音に対して明らかに異物感があり対象特定がしやすいという特徴があります。例えば芸能人の記者会見のようにシャッター音だらけの背景音だった場合、特定のシャッター音を除去することは不可能です。


MP3など圧縮された音源では処理精度が落ちる

また、これらの処理は録音(動画撮影)された時点のレアデータであることが重要。世の中に流布されているデータはネット環境でも再生しやすいように何かしら圧縮処理がかかっています。スマートフォンの標準ボイスメモアプリなどではそもそも録音時点から非可逆圧縮設定になっていたりします。そのため、素人的な撮影機材の場合改善が難しい場合も多々あります。


特にMP3のような不可逆圧縮のデータだと、データ量が元に戻る構造にはなっておらず、

除去対象音に対して前後解析して再合成するという仕組上、データ量が少なく処理精度が落ちます。(解像度の粗い写真を加工してもあまり意味がないのと同義)


その他事例

シャッター音が気になるシーンはやはり音楽演奏のケースが多数。

ピアノ発表会や学芸会動画など、客席での撮影が許可されている現場ではよく起こります。


また、シャッター音ではありませんがこの処理技術を活用して有名人が送ってくれた動画メッセージ中の背景音に紛れたノイズ(車や鳥の声など)をカット(または軽減)してほしいというリクエストをいただくこともあります。


今のところ、シャッター音は自動処理できるようなものではなく、発生都度に細かく消し込み作業が伴います。多少コストをかけても何とか綺麗にしたいというご要望がありましたらお気軽にご相談ください。



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