top of page

2026年、映像制作は「完全リモート」が標準に。サウンドエンジニアが語る新時代のワークフロー

「撮影も編集も、基本リモートで回る」——2026年の映像制作では、これがもう“特別なやり方”じゃなくなりました。チームは全国に散らばり、確認はオンライン、素材はクラウド、納品もデータ。だからこそ今、音の仕事(整音・MA)も“対面前提”から完全に解放されています。


女性映画監督


実際、僕がMAをお手伝いした映画監督さんの中には、いまだに一度も対面したことがない方も珍しくありません。シャンバラストーリーの関根監督とは、初めて直接お会いするまでに3年くらいかかりました。でも、制作は止まらない。むしろ「会ってないのに、作品はどんどん良くなる」っていう、面白い時代に入っています。



“完全リモート化”で一番変わったのは、音の役割


昔は「画が固まったら、最後に音をスタジオで仕上げる」みたいな感覚が強かった。今は違います。配信やSNSで作品が消費される時代、視聴の主戦場はスマホ+イヤホン/TV内蔵スピーカーで、環境が想像以上に過酷。劇場向けのつもりで作った音でも、配信では別物に聴こえます。


つまり、“どこで再生されても物語が伝わる音”に整えるのが、作品の完成度を左右する。ここがリモート時代のMAの本丸です。



まず結論:リモートMAがうまくいく鍵は「受け渡し設計」


完全リモートで一番事故るのは、技術よりも受け渡しが曖昧なとき。逆に言えば、最初に設計図が揃えば、物理距離はもう関係ありません。


僕が実際におすすめする“新標準ワークフロー”はこれです。


1)最初の受け渡し(ここが勝負)

  • リファレンス動画(タイムコード入り推奨)

  • AAF/OMF(可能なら)+十分なハンドル

  • もしAAF/OMFが難しければ、最低でも Dialogue / Music / FX の分離(ステム)

  • 「ここが気になる」シーンを、タイムコード付きで箇条書き


この時点で「音は後でなんとかなる」思想を捨てるのが大事。後回しにするほど直せる範囲が狭くなり、完成度の天井が下がりやすいです。


2)キックオフ(オンラインで10〜20分でOK)

  • 作品の狙い(リアル寄り?映画的?ドキュメンタリー?)

  • セリフの優先度、BGMの押し出し、効果音の方向性

  • 納期とチェック回数(ここを決めると揉めない)

(監督側が初めて映画を観る主観(MA側)が欲しいため、あえて行わない方も多いです)


3)“第1稿”を早く出す(完璧より先に方向性)

最初から全部を完璧にしない。まずは方向性の一致を作る。

セリフの芯、空気感、カット間のつながり——この3点が合うだけで、監督のストレスが一気に減ります。


4)修正は「時間指定コメント」で回す

リモートで最強なのは、感想文じゃなくてタイムコード指定

「1:12:03〜BGMが言葉と被る」「24:10〜部屋鳴りが気になる」みたいに、ピンポイントで返す。ここが揃うと、修正の精度が爆上がりします。



2026年の映像制作“納品の当たり前”も変わってきた


シアター

最近は「とりあえずステレオ」だけじゃ終わらないケースが増えました。配信・上映・審査・DCP……用途が分岐するからです。


たとえば、僕の自主制作映画向けプランでも、ライトな整音では -20LUFS/48kHz 24bitステレオ納品 を前提にした設計にしています。


映画祭応募標準の領域では、ルームトーン生成、アンビエンス追加、ノイズ除去強化、マルチトラックミックス、EBU基準の音圧調整、さらに 5.1ch対応(追加) まで視野に入ります。

劇場・配信想定になると、Dialogue/Music/FXのステム納品 や、上映会立ち会い、DCP用の修正対応まで含めた「事故らない仕上げ」が必要になります。



“会ってないのに信頼できる”関係は作れる


関根監督の件もそうですが、3年会わないままでも制作は進むし、信頼は積み上がります。ポイントは、対面の代わりに 「判断基準の共有」 をすること。

  • 何を“良い音”とするか

  • どこはリアルで、どこは映画的に盛るか

  • 観客に何を感じてほしいか


ここが共有できると、距離はマジで消えます。



“完全リモート”時代に、音が強いチームが勝つ理由


視聴者はセリフが追えないと、脳内で推測と補完を繰り返して疲れ、最短で停止ボタンに行きます。



逆に言えば、音を整えるだけで完走率・レビュー・口コミが変わる。

特に自主制作は、撮影条件の制約で弱点が残りやすいぶん、ポストで底上げが効きやすい。


そして、音は“作品の世界観の翻訳”です。

だからこそ、ここを雑にすると映像の努力が報われない。

反対に、ここを詰めると作品が一段上に見えます。



MA予算とスケジュールの現実解:早めに押さえる


リモート時代は、締切が突然前倒しになることも多い。だから、音の枠を早めに確保しておくのが強いです。

僕のところでも、作業開始日ベースで 3ヶ月前10%OFF/5ヶ月前20%OFF の

早期予約割引を案内しています(対象プランあり)。



まずは“1〜3分”でいい。無料のサウンドエンジニア診断から始めよう


「いきなり全部は不安」「今の素材でどこまで改善できるの?」——ここ、監督が一番モヤるところです。だから僕は、問題のシーン(1〜3分)だけでもOKな形で、原因と改善の方向性を短いサンプルで提示するやり方を勧めています。


映像制作の現場は完全リモートの時代、“会わなくても作れる”は当たり前になりました。次は、“会わなくても伝わる音で勝つ”。その設計、自主制作映画専門のサウンドエンジニアと一緒にやりましょう。



コメント


bottom of page